伊藤學賞:依田照彦氏
早稲田大学 理工学術院 名誉教授
依田照彦氏は、早稲田大学理工学部の教授として、長年、鋼橋の若手技術者を育成されるとともに、平成9年版の「鋼構造物設計指針(一般構造物および合成構造物)」(土木学会)の作成に尽力されました。その後、平成17年6月に土木学会鋼構造委員長に就任されてからは、「鋼・合成構造標準示方書」の出版に熱意を傾けられ、平成19年に「鋼・合成構造標準示方書の総則編・構造計画編・設計編」の出版においては設計部会長として主導的な役割を担われました。この示方書は性能規定型設計を具現化したという点で高い先導性を誇っており、鋼橋技術の発展における功績は非常に高いものであります。
また、平成19年の米国ミネアポリスI-35W橋の崩落事故では、国土交通省調査団としていち早く渡米し、原因究明に取り組まれるとともに、自身の著書を通して既設橋の老朽化やメンテナンスの重要性について広く社会に訴えて来られました。
上述のとおり、長年に渡る多くの業績は、わが国における鋼橋技術の発展や若手技術者の育成に多大な貢献をなされました。