戦場にかける橋
クワイ川鉄橋は、太平洋戦争時代の旧日本軍が軍需物資の輸送を目的にマレー半島を横断する秦緬(たいめん)鉄道建設工事の一環で架けられた鉄橋です。
延長約400kmの鉄道新設工事は、路線のほとんどが人跡未踏の大密林地帯で、かつ世界的に有名な多雨地帯でした。
工事は昭和17年から18年にかけて約1年間という記録的な建設速度で終りましたが、これは軍の作戦上から建設されたもので、苦難に満ちた工事でした。
軍関係者と民間技術陣に加え、外国人の捕虜となった方々や現地の人々の中から多数の犠牲者を出したといわれています。
この鉄橋をめぐる有名な映画「戦場にかける橋」は、当時日本人がケオノイ川と呼んだクワイ川の支流ケオヤイ川に架かっているメクロン橋
(通称「クワイ川鉄橋」)を舞台にしたものです。
当時の事情を知る関係者の話によれば、この映画のテーマとなったように、敵味方をこえた建設への意欲を共有していたと伝えられています。
1976(昭和51)年10月、この橋で旧日本軍関係者と旧連合国関係者、そして旧日本軍による捕虜になった方々や現地住民70人が
33年ぶりの再会を果たしました。
お互いの立場や30年以上の時を超えて再会した人々が、手をとり肩を叩き合いながらこの鉄橋を渡る時には、期せずして映画の
主題歌「クワイ川マーチ」のハミングの合唱となったと、当時の新聞に記されています。
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