長年にわたり、鋼橋に関連する業務に従事し、わが国の鋼橋技術の進歩および鋼橋業界の発展に貢献した方を表彰する『伊藤 學 賞』(平成22年度)を平成22年5月より橋建協ホームページ等で公募しておりましたが、(社)日本橋梁建設協会表彰委員会にて審議を行った結果、今年度の受賞者は (株式会社 横河ブリッジ 社賓)に決定いたしました。10月6日に「銀座ブロッサム中央会館」で開催された「平成22年度橋梁技術発表会」の「伊藤 學賞表彰式」において縣副会長より表彰されました。受賞者の略歴および業績を紹介いたします。
略歴
・受賞者 : ![](files/101014/syu.jpg)
・職 歴 :
株式会社 横河ブリッジ 社賓
・略 歴 :
昭和28年 3月;名古屋工業大学 土木工学科卒業
昭和28年 4月;株式会社横河橋梁製作所 入社
昭和49年12月;東京大学より工学博士の学位
昭和63年 6月;常務取締役 技術本部長
平成2年6月;専務取締役 営業本部長
平成4年 6月;代表取締役 社長
平成10年 6月;代表取締役 会長
平成11年 7月;建設大臣表彰
平成13年 4月;勲3等瑞宝章
平成18年 6月;代表取締役 会長退任 現在に至る
業績
○鋼橋技術の進歩への貢献
・卓越した指導力、行動力と将来を見据えた先見性で、(株)横河ブリッジ代表取締役に就任以降、経営の最高責任者として社業の発展に尽力。当協会においては、役員・各委員会委員の重責を歴任し、協会の発展に大いに貢献した。
・戦後の復興期である昭和30年当時、上路式アーチ橋としては、支間長世界第2位の西海橋に従事、難解であった手計算による構造解析計算を担当し、見事に本工事を完成させた。
・その後、鉄骨橋梁協会技術委員会の調査研究事業に邁進。当時の鉄骨橋梁協会技術委員会は橋梁分科会と鉄骨分科会により構成されていたが、設計における橋梁技術(土木工学)と鉄骨技術(建築工学)は根本的に異なるため、橋梁調査研究の専門機関である当協会設立を働きかけた。「当協会生みの親」ともいえる働きであった。
〇建設業及び当協会への貢献
・当協会発足後、技術委員会副委員長、技術委員会委員長に就任し、4年間に亘って委員長を務めた。
・理事・副会長に推薦され就任、平成10年7月に辞任するまでその重責を全うした。
・その間、国際化時代における橋梁建設事業は技術を基礎とした公正な競争力の確保が先決であるとの考えから、「公正かつ自由な競争を確保するための基本方針案」を理事会に提案し、鋼橋の業績発展に多大な貢献をした。
・また、平成4年9月から平成10年7月までは同協会副会長の要職に就き、その間同協会において、鋼橋積算体系検討委員会委員長、鋼橋の経済性検討特別委員会委員長、建設コスト縮減策検討特別委員会委員長、鋼橋建設ビジョン策定特別委員会委員長、国際問題特別委員会副委員長などを歴任し、激変する橋梁建設業界の将来へのビジョン策定に指導的役割を果たした。このように、建設業の発展に寄与した功績は多大である。
〇鋼橋事業発展への貢献
・設計から原寸まで鋼橋設計生産一貫システム完成
・仮組立シミュレーションシステム構築
・富士川鉄橋、阪神・淡路大震災等 災害復旧貢献
・香港カップスイモン橋、ストーンカッターズ橋等海外プロジェクトへの貢献
〇表彰
・昭和49年5月 土木学会 田中賞(論文部門)
「吊橋補剛桁の架設工法について」
・平成8年5月 土木学会 田中賞(研究業績部門)
「鋼橋の設計・製作の自動化および吊橋補剛桁の逐次剛結工法確立に関する研究業績」
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