「牛深ハイヤ大橋」は天草の最南端に位置する牛深漁港に架かる橋梁です。細やかな地形の線と澄んだ水面の天草の風景の中で、橋をどうやって自然に溶け込ませるかが、デザイン探求の中心となりました。構造表現が際立った吊橋や斜張橋を避け、敢えて単純な連続桁を選択したのは、「一本の線を風景に落すという‘単純さ’を強調するため、それを可能な限り少ない数の橋脚で支持させ、上部本体の水平部が明快に分節されることで、一本の連続した線が浮遊したように見せる」試みです。
主桁の下フランジは曲線で形成されていますが、これは風の抵抗を減少させ桁の振動を防ぐことと、視覚的に橋脚から桁を切り離して浮遊させた表現に近づける為の工夫です
また、側面には歩行者の風からの保護と、空力抵抗を考慮したコンクリート製の風除板(フラップ)が取り付けられており、これにより車からの眺めが阻害されないように、歩道面が車道面より低く設定されています。
なお、本橋は1998年度の土木学会田中賞、2001年度の土木学会デザイン賞を受賞しています。
橋梁名 |
牛深ハイヤ大橋 |
発注者 |
熊本県 |
設計者 |
RPA+マエダ |
形 式 |
7径間連続鋼床版曲線箱桁 |
橋 長 |
883.0m |
支間割 |
84.0m+150.0m+135.0m+120.0m+150.0m+140.0m+99.0m |
幅 員 |
13.6m |
所在地 |
熊本県牛深市 |
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