枯松沢橋は釜石市と遠野市を結ぶ国道283号仙人峠道路改築事業の一環で延長18.4km(上郷道路を含めると21.8km) の地域高規格道路『新仙人峠道路』の最後の大規模構造物として施工されました。
本橋はアーチ支間200mの国内最大規模の鋼ローゼ橋です。架設は急峻な渓谷のためケーブルクレーン斜吊工法を採用しました。鋼材はメンテナンスフリーの耐候性鋼材を使用し、床版は合成床版を採用する事により、工期短縮やメンテナンス費を考慮したライフサイクルコストに優れた構造となっています。
仙人峠道路は内陸から沿岸への基幹路線として古くから利用されていました。当時は駕龍による人力運搬をするほど道が険しく釜石をはじめとする沿岸地域は陸の孤島と呼ばれていました。現在の国道283号仙人峠道路は、鉄鉱石採掘用のトンネル(仙人トンネル) から釜石製鉄所への鉄鉱石運搬道路として建設されたものを再整備したものです。
この道路は道幅も狭く、急勾配・急カーブが連続し冬季間は道路が凍結し大型車両の事故が多発する危険な道路として知られていました。この道路の整備が沿岸地域の生活の安全・安心を図る生命線となる事がら住民の強い希望と20年間にも及ぶ運動が実を結び、『新仙人峠道路』が完成しました。
平成19年3月に開通した本路線は東北横断自動車道釜石秋田線に組み込まれるものと言われており、三陸沿岸と内陸をつなぎ東北中央を横断する物流の大動脈となる事が期待されています。
橋梁名 |
枯松沢橋 |
発注者 |
国土交通省 東北地方整備局 |
形 式 |
上路式鋼ローゼ橋 |
橋 長 |
310m |
支間割 |
46.0+210.0+54.0m |
幅 員 |
11.2m |
鋼 重 |
3,700t |
所在地 |
岩手県釜石市甲子町地内 |
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